Blog【過酷…疲弊する携帯ショップ。ユーザーに知って欲しい事。】

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今、携帯ショップは本当に過酷な環境に置かれています。現場で働くスタッフの人達は疲弊しきっています。ユーザーからの理不尽な要求、大手キャリアからの理不尽なノルマ。それらで精神を病んで退職してしまったり、その後の就職に影響を及ぼしてしまうケースも散見されます。

一昔前なら「そんなものは精神的に弱いだけだ!!」と切り捨てられていたかもしれません。しかし私自身が30代後半となり、今からこの業種に携わるようになる自分よりも若い人達の事を考えると、私のようなスマホが登場する前から業界に携わって来た立場の大人が見て見ぬフリを続けてはいけないと思うのです。声を上げるべきだと思うのです。

私自身、携帯販売店の現場スタッフを15年近く行っていました。現在も修理や中古スマホ販売とはいえ携帯電話に関わり続けている立場として、ユーザーの皆様にお願いしたい事があります。

人によってはこの記事に対してあまり良い気分をされない場合もあるかもしれません。しかしこれは紛れもなく事実であり、日本が先進国の中で圧倒的にデジタルに対する知識や関心が遅れている事が原因であると思います。それがスマホの契約販売現場のスタッフ達を苦しめている現実を知っていただくと同時に、知識を得る、意識を変える事でユーザー自身も得をする事は沢山あると思います。そういった目線で読んでいただけると幸いです。

わかりやすく、実際に現場でユーザーの方からよくある代表的なご要望を例に問題点を挙げてみたいと思います。

データコピーをお店でやってくれない!!やってくれたとしてもお金がかかる!!

スマホのデータはお客様の「個人情報」です。ショップのスタッフさん達は「個人情報保護法」や「電気通信事業法」を守って業務に取り組んでいます。それら法整備前の様にお客様のデータを店舗のPCに取り込んで新端末へ移行する等の行為は勝手には出来ません。

そしてそれらの知識や手間を無料で求めるのはそもそも「お門違い」です。よく「毎月高い料金を払ってるのに!!」「10万円以上の高い物を買っているのにそれくらい!!」と仰る方もいらっしゃるのですが、先ず月々の料金は「日々快適に通信が行える事への対価」として支払っている物なので、データ移行の手間とは全くの別物です。そして「高い物を買っているのに!!」という理屈はこれもまた別問題です。何故ならきちんと低価格のラインナップも存在する中でその機種を選んだのはあなた自身だからです。

先ずはスマホが自分の「財産」に等しい物だという認識を持たれるべきかと思います。例えば、皆様自分がスマホを使用している時に他人に画面を覗き込まれたらどう思いますか??きっと不快ですよね。それはスマホがプライバシーの塊に他ならないからです。でもデータは自分でバックアップしない、やり方も知らない、無料でお願いしたい。これっておかしくないでしょうか??

勿論それが初めからきちんと理解の上で、データ移行等を「手間や知識を省く為にお金を払って解決する」事は決して悪ではないと思います。きちんとお店側が提示している設定料金に従って、お店のルールに従い、対価を支払いサービスを受けるのも一つの解決方法です。但しその場合も後述のIDやパスワードは把握の上で来店してあげるとスタッフさんもかなり手間が省けますし、お店の待ち時間の緩和にも繋がると思いますので是非協力してあげて欲しいと思います。

弁護士さんや税理士さんに相談をする時には相談の段階からお金がかかるのと同じで、携帯ショップのスタッフさん達は「専門家」であり、自分では出来ない事をお願いするのですから。対価を支払うのは当然ですよね。

□どうしてこんなに時間がかかるの!!

実は契約手続きの所要時間の大半は「お客様次第」です。プランの変更、契約作業等、スタッフが専用のシステムを叩いている時間など実は数分程度です。では何故あんなにも時間がかかるのか??それはユーザー自身が自分のプラン、使い方、ID、パスワード等を理解しているケースがほとんど無く、それらのフォローに四苦八苦するからです。

・契約者は誰なのか(実はかなりの確率で違ってます)
・現在のプラン
・毎月の通信データ容量は何GB必要なのか

たったこれだけの質問でも正確に答えられない人が大半です。
日々肌身離さず持ち歩いているスマホの事に何故こんなにも無頓着でいられるのでしょうか??もしスマホを落としたり失くしたりしてしまったら慌てませんか??きっと気が気じゃない筈です。でもバックアップはしない。管理はしない。そんなおかしな話があるでしょうか。。。

例えば、iPhoneで言えばきちんとApple IDとそのパスワードが管理出来ていれば、現在は「クイックスタート」という機能でPC等を利用するまでもなく、新旧端末を並べて接続するだけで簡単にデータ移行が可能です。しかし未だに「PC持って無いんですけど」「iCloud・・・??」「Apple IDって??」という場合が大半です。少し話が逸れるかもしれませんが、そんな方ほどiPhoneを欲しがるのですが、これらApple社の素晴らしい機能を理解していなのに一体Apple製品の何に惹かれているのかと。きっと「みんなiPhoneだから」「iPhoneしか使ったことが無いから」に集約されているのでしょう。

そして「余計な説明が長い」との声もよくありますが、これも全て「電気通信事業法」にて説明必須項目が定められており、割愛する事は許されません。それにこれらの内容はお客様にとって大切な内容です。実際後日「〇〇の事なんて教えてくれなかった!!」という問い合わせのほとんどがきちんと説明済みの内容だったりします。

そして、あれこれ商材を勧められるのが面倒という声もありますが、これには想像以上に根深い問題があります。

ショップには「総合指標」と呼ばれる「未達成=即閉店」に繋がりかねない大手キャリア(携帯会社)からのあまりにも厳しいノルマがあります。そしてその指標の中に携帯電話の契約件数とは別に、Wi-Fiルーター、固定通信、クレジットカード、アクセサリー販売等が含まれている場合があります。実は内心ではそんな指標やお客様への案内に矛盾を感じながら気を病んでしまうスタッフも少なくありません。

これらはそもそも大手キャリアや総務省がきちんと現場の根本的な問題やユーザーの利益、権利に真摯に向き合っていない事が根本的な問題であり、そしてそれらが世間に認知されていない事です。どうか現場のスタッフを責める事はしないでいただきたいのです。根本的な問題はそれを半ば強要している大手キャリアのやり方やそれを見過ごしている総務省なり「悪しき体制の方」です。

それから「ルール」や「マナー」は守ってあげて欲しいのです。

・来店前には必ず予約をする
・必ず予約の時間に遅れない
・最低限の準備は整えておく
(名義の把握、現状の把握、ID、パスワード等の管理、把握)
・マスクは必ず着用する
(今なお着用無しで来店される方が非常に多いです)
・なるべく最低限の人数で来店する

よく「家族で〇時に予約しているんだけど、時短の為に自分だけ先に来ました!!説明だけ先に聞いておきます!!」なんて方もいらっしゃるのですが、冷静に考えてそれはお店側からすると単純にタスクが2倍に増えるだけなのでやめてあげて欲しいです。スタッフからすると「説明」は既に「専門家が行うプランニング作業」であり、自分の知識や時間をサービスとして販売する行為です。たかが説明ではなく、それはもう既に立派な「業務」なのです。そして説明は「契約者」と「使用者」に対して行うものであり、契約者でも使用者でもない方に説明できることは何もないというのが正式な回答です。

そして、時短を求めるなら各社「オンライン手続き」がありますのでそちらを積極的に利用すべきとも思います。「でもオンラインだとよくわからない!!自分じゃ出来ない!!」のであれば、前述の通りそれなりの対価を支払い、店舗のルールに従うべきだと思います。

□昔はタダでやってくれたのに!!

その言葉の通り、それは既に昔の話です。前述の「個人情報保護法」や「電気通信事業法」に基づいて個人情報を大切に守りながら仕事をしていますし、現在は各種設定料金についてもきちんと正式に有料化されています。ガラケーからスマートフォンとなり携帯電話に納められている個人情報の量、扱うデータの量も当時とは全く違います。どうかそれは今のスタッフさん達には言わないであげて欲しいと思います。

よく日本では介護、看護等の業界等の冷遇がメディア等で議題に上がる事が多いと思いますが、私は携帯ショップの仕事はそれらと同じように国全体で議論されてもおかしくない、むしろ議論されるべき環境だと思っています。携帯ショップはデジタルの中枢とも言える「スマホ」を取り扱うにも関わらず、国や世間から軽視されてしまっている現状は否めないと思います。 最近では「デジタル庁」の発足等、 マイナンバーカードの件然り、今の所むしろそれらのシワ寄せ、押し付けが増えた分、業務が増加し更に環境が悪化したとさえ見受けられます。

自分と同じようにスマホが好きで、デジタルが好きでこの業界に入った方も多いと思うのですが、自分の好きな物が日々あらゆる理不尽な要求に押しつぶされ、いつしかこの仕事が嫌いで、仕事に行く事すら出来なくなってしまう人達が居るのです。私も時代は違えどこの業界に入った時にその現実に押しつぶされそうになった事が何度もありました。

冒頭お話ししたように、それらを我々古い世代が「甘ったれるな!!」と切り捨てるのは簡単です。しかしそれは後の若い人達に全てをなすりつけて責任転換している事に他ならないと思います。 そして何よりこの状況を作り出したのは今のショップスタッフさん達ではありません。 この問題が解決される為には、どうやっても日本全体がもっとスマホ、IT、デジタルへの関心を高める事が必要不可欠なのです。

たかがスマホ。されどスマホ。もっと大切に扱ってもいい筈です。それは決して本体に傷がつかないように、等という意味ではなく自分の「財産」として扱うべきだと思います。

次に携帯ショップへ足を運ぶときには、そのスタッフさんと楽しくやり取りして貰えたら嬉しいなと思います。それに、これはどんな業種も同じですが、

ユーザーが一番得をする買い方は「スタッフを良い気分にさせてあげる事」なのですから。

「俺は〇〇を10年も使ってるんだぞ!!それくらいタダでやれ!!」と言うのと、

「初歩的な質問ですみません。〇〇で困っているのですがお手伝いをお願い出来ますか??もし可能であればおいくらでお願い出来ますか??」

と質問するのでは、店員さんからすればむしろ価格の対応、サービスの好待遇等、良くしてあげたいのは後者である事はいうまでもありません。

サービスとは、提供者、購入者、どちらも「平等」なのです。それを忘れずに。


どうかお願いいたします。